5 月 07

メディアの情報をどこまで信用すれば良いのであろうか。メディアを懐疑的に展望し、現在のメディアを解読するメディア・リテラシーについて総合的・多角的に考慮してみたい。

メディアは、概して真実、噂、嘘の三つしか伝えない。更に、メディアの情報は、多かれ少なかれ全て編集されたものである。何らかの意図や意思が存在する。加えて、マス・メディア、メディア企業の目的は購読者、視聴率の増加を第一義的に考える利益追求にある。

当然、ジャーナリストは制約された環境の中で権力に屈することなく事実や真実を正確に報道することに重点をおいているであろうがオーディエンスの受け取り方で伝わる内容も変化する。少しでも新鮮でインパクトがあり影響力のあるニュースを報道しようとするからどうしても表層的な似通った情報がライバル各社から発せられる。

新聞綱領によると正確、公正などの言葉が並んでいるが各社の社説を読めば保守、リベラルなど主張が左右に拡張している。また、海外のメディアに目を向ければ異なった視点が見えてくる。

メディアが報道する記事、例えば、靖国参拝や安倍総理のモスクワ訪問に関して北方領土の問題がどのように伝えられているかをライブ性を交え大学の講義で観察してみた。

これら一連の報道を三本の視点で展望すると新しい発見があった。第一は、安倍総理自身が頻繁に発信されている安倍総理のフェースブックを講義室のスクリーンに写し、メディアによって編集されてない安倍総理のモスクワ訪問に関する主張や主観を読んでみた。第二は、安倍総理の外遊と北方領土の問題に関する国内の大手新聞社の社説の主張を比較。
第三に、ニューヨークタイムズ等の靖国参拝に関する社説や報道をチェック。

哲学者デカルトの「我思うゆえに我あり」にあるように安倍総理がフェースブックから直にオーディエンスに伝える内容には編集が入ってない分、安倍総理の臨場感あふれる情報がそのまま伝わってくる。ソーシャルメディアの効用により当事者が意図する事実が概して安倍総理に好意的なオーディエンスに伝達されるのである。

北方領土問題に関して日本の大手メディアの視点は、二島返還、四島返還、面積で二等分するなど近年にないほど勇ましい主張が目立っている。僕の個人的な考えでは、柔道家プーチン大統領とアベノミクスで勢いがあり、安倍総理のお父さんの功績等からみると少なくとも二島返還プラスαの好機だと読む。しかし、プーチン大統領の妥協が北方領土とは異なり日本の領土である竹島や尖閣諸島の問題に影響を及ぼす。発展するアジアの将来を見据えた場合、日本、ロシア、韓国、中国の領土問題が共同開発や共生という方向に舵が切られることが最善だと考える。

靖国参拝に関して、リベラルであるニューヨークタイムズも保守であるウォールストリートジャーナルも批判的な論調を行っている。ワシントンポストも含め、米国の主要紙が揃って日本の周辺諸国の意向を無視したわざわざ油に火を注ぐ行動を懐疑的に見ている。

海外で長期間生活し、日本人を客観的に展望すれば自分が考えている以上に日本人は矛盾しているように思う。その矛盾とは歴史が示すように太平洋戦争の好戦的な日本と憲法9条の極端な平和主義にあるように考えられる。

哲学者、梅原猛先生は、「人類哲学序説」の中で、生魚を好んで食べるある意味では野蛮な風習を持つのが日本人であり、寿司は生魚の下に米がある。米は稲作農業を含む弥生文化の産物ですから、弥生文化の上に縄文文化がのっているわけで、これこそ日本文化そのものであると述べておられます。

メディアの情報を如何に解読するか、寿司が示すように日本人は野蛮と文明という絶対的な矛盾を解決する能力を有している。従って、マスメディアからソーシャルメディアまで多角的・重層的にメディアのメッセージを直観に従い読み解けば日本の方向性が見えてくるように思う。